ギリ健、メンヘラな猛毒のブログ

社会不適合者が戯言を吐いているブログです

ジョーカー フォリ・ア・ドゥを見た感想

こんにちは、猛毒です。昨日ジョーカーの続編を見てきました。私は事前にアレコレ調べないで見る派ですが、TwitterのTLでチラホラ見た人の感想が流れていました。TLでは評価は散々でした。見る前から不安になったのですが、結論から言うと私は楽しかったし、楽しめました!それではストーリーの流れや感想を書いていきます。

 

※ネタバレを含みます。ご注意下さい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

獄中のJOKERことアーサー・フレック

物語は薄暗い獄中も兼ねた閉鎖病棟に収監されている所から始まります。アーサー曰く横柄なブタみたいな看守が囚人を叩き起こして回ります。朝になると汚物の入ったバケツを持って、列をなして捨てに行きます。その後薬を飲み、テレビを見たり、運動場で過ごす囚人達。その中に痩せ衰えたアーサーはいました。

 

アーサーは娑婆にいた時と同じようにいじめられており、タバコを餌に看守からジョークを言うように言われて、小突かれる日々。アーサーはヘラヘラとしながら、死んだ目で生活していました。

 

ある日、特に問題ごとも起こさない模範囚だからという理由で歌の集会に参加させられます。そこで出会ったのが、リーという女性です。

 

この女性はだいぶ頭のネジが飛んでいて、金持ちの街に住む、親が医者という恵まれた環境にいながらも放火を行い、自分の意思で入院していました。JOKERの追っかけでいわゆる、プリズングルーピーの女性です。

 

JOKERであるアーサーに出会う為にわざわざ入院しています。目的通りアーサーを見つけると、自分はアーサーの近所に住んでいて、親から虐待されて、それで放火したらここにぶち込まれたと嘘を言って、近づいていきます。

 

女性と付き合った事のない童貞のアーサーは見た目も美しくて、JOKERのファンだと言うリーに惚れてしまいます。アーサーを精神疾患を理由に無罪を勝ち取ろうとする女性弁護士の話も耳を傾けなくなります。

 

アーサーの頭の中はまさにミュージカル。リーと踊りながら歌う妄想で埋め尽くされていました。

 

その後、リーが映画鑑賞中にピアノに火をつけて、火事のどさくさでアーサーと逃走を図りますが、失敗。リーは元より、自分の意思で入ってきたのでそのまま、退院になり、アーサーは電気椅子送りになるであろう、裁判に臨む事になりました。(現実のNYは1980年代どころか元より死刑がないです。劇中でのNY、ゴッサムではあるのかもしれません。それかアーサーを危険視した当局の特別措置かもしれないです。)

 

裁判でのJOKER劇場

裁判前のインタビューではすでにリーに影響を受けていましたが、それでも女性弁護士の助言を聞いて、印象を良くする為、タバコを吸うのをやめて、JOKERという人格が事件を起こした、アーサーの人格は覚えていない、事件当時は精神的に参っていたとインタビュワーに語ります。

 

しかしインタビュワーの男性はアーサーの話を聞かずに煽ってばかりきます。アーサーはテレビの生放送で撃ち殺したマレー・フランクリンとその男性を重ね合わせます。アーサーはインタビュワーの男性にこう告げます。

 

僕の話、聞く気ないでしょ?

 

アーサーはタバコをもぎ取り、歌を歌い出します。天を仰いで、煙を吐き出すアーサー。最後に椅子を蹴り飛ばしてインタビューは終わります。

 

アーサーは裁判当初では大人しくしていましたが、証人たちに触れられたくない過去をほじくり返されます。母親が自分の事をアパートの女性に童貞である事や、妄想ばかりしている頭のおかしい人だと吹聴していた事をバラされ、傍聴人からは失笑が漏れます。

 

女性弁護士の言う事を聞いても報われず、それどころか笑い者にされる事に限界が来たアーサーは弁護士を解任して、自分で弁護をすると言い出します。女性弁護士に別れのキスをして、法廷は閉じました。

 

次の裁判ではアーサーはJOKERのメイクをして、出て来ました。裁判長はここは劇場ではない、コメディーの場所にはしないと言い放ちますが、完全にJOKER劇場となりました。テレビ中継もされる中でアーサーは調子に乗り、ベラベラと喋り、看守達もブタだと煽ります。

 

裁判をテレビで見ていた看守達は激怒して、裁判後にアーサーの服を剥ぎ取り、おそらく消化器ホースの刑(尻にホースを入れて、水を大量に注ぐ拷問。日本では過去に名古屋刑務所でこれをされた受刑者が直腸が破裂して死んでいる。)に処しました。パンツ一枚で独房に叩き込まれたアーサーは息も絶え絶えにリーとのミュージカルを思い描いていました。

 

すっかり意気消沈したアーサーは裁判の場で

 

ジョーカーなんていない

 

と言いました。するとその発言に失望したリーや傍聴人は席を立ち、続々と出て行きました。

 

さらにアーサーは本当は5人殺したのではない、母親も殺したから6人だと自白します。裁判に立つ男はJOKERという世間のヒーローでない、アーサー・フレックという社会の負け組の1人でした。

 

しょぼくれているアーサーが画面に映し出されていました。すると突然、裁判所の壁が爆破されます。吹き飛んだ裁判所から抜け出たアーサーはJOKERファンの若者3人に車で拾われます。逃走を手伝ってくれるとの事です。

 

しかしアーサーはもうJOKERとしての自分が嫌になっていたのでしょう。いきなり車から飛び出して、走って逃げ出します。アーサーの頭の中にあったのはただただリーに会いたいという事でした。

 

ゴッサムの近所の長い階段でリーと再会します。しかしリーはJOKERでないアーサーに興味はないと語り、さようならと言い、去って行きました。後方には何台ものパトカーが駆けつけてきました。

 

最期

アーサーはリーに留守電を残し、テレビを見ていました。看守がやって来て面会だと告げられ、廊下を歩くアーサー。そこに1人の男が近づいてきました。ジョークを聞いてほしいと。アーサーは手短に頼むと話し、聞いていました。男がオチを言うと思いきや、いきなり

 

報いを受けろ

 

と言い、アーサーはメッタ突きにしました。血を流して倒れるアーサー。徐々に意識がなくなる中、アーサーの頭に浮かんだ言葉、それは

 

That‘s life(これが人生)

 

でした。

 

見た感想

世間ではボロカスに言われている今作品ですが、私は見ていて好きでした。思った事としては本当にリアルだなと。これぞまさにシリアルキラーの一生だと思いました。プリズングルーピーとの交際、裁判の立ち回り、そして死(作中では確定とまでは言えませんが。)と1980年代、数々のシリアルキラーを排出した、アメリカならではだと思いました。特に作中でアーサーがインタビューを受けたり、裁判でのテレビ中継が古めかしい画質で再現されていますが、80年代のシリアルキラー達にそっくりです。serial killer interviewと検索すると、作中と同じように生き生きとした様子のシリアルキラー達が見れます。饒舌に話して、時には涙を見せたり、激昂する彼ら達の生き様が残っています。

 

世間での評価が良くないのは私も思ったのですが、前作のように無双する、無敵の人のヒーローのJOKERが見たいと思う人が多かったからだと思います。今作では刑務所と裁判所を往復する貧相なアーサーが悲惨な末路を辿ってしまうし、ミュージカルと路線が変わっている事もあると思います。私もJOKERとしての彼の活躍が見たかったとは思いました。それでもシリアルキラーの生涯と考えた時にこの作品は本当に良く出来ているとも思います。カッコよく脱走して、暗躍し続けるなんて事は現実ではないです。それこそ電気椅子に送られたり、獄中で一生を終える、下手すれば殺されるなんてのがだいたいです。アーサーも1人の人だったという事だと思います。

 

私は2作品しか見ていないので、過去作を見ている方だと違和感がかなりあったと思います。続編って難しいなとは思いました。

 

アーサーがサイコパスみたいな冷血人間じゃないのが好きでした。1人の女性に振り回されて、人間臭くて良かったです。筋肉ムキムキで不死身で怪物じみていたら、共感出来なかったです。

 

色々と言われている作品でしたが、これはこれで良いのかなとも思いました。ただ前作が神作品でした。あれは本当に面白かったです。長々と書きましたが、最後までお読み頂きありがとうございました!